クロックが動かなくなったとのことで修理をお預かりしました。長年愛用してきたものでできれば直して使いたいとおっしゃいます。
文字盤にはCASIO WORLDTIMEと描かれていますが、恥ずかしながらどうにも見覚えのない初めてお目にかかる時計であります。
縦横が7cmにも満たない小さな目覚時計?のようでも、よく見るとちょっと雰囲気が違う。一般的にこの手の時計では文字盤を取り巻くベゼルを回転させて時針に自分の居る都市を合わしてから、ベゼルに印刷された都市名を頼りに目的の国の時刻を読み取ります。しかしこの時計のベゼルを回すと何と回した分だけ時針が動くではありませんか。目的の都市名を12時の位置に動かすと、針が動いてその時刻を指してくれるのでとても分かりやすい。
そもそも時針・分針・秒針が揃って動くことでその時の時刻を示しているわけですが、その中の時針だけが時差の分だけどちらの方向にも自由に動くわけです。
しかも1時位置には昼夜を表す回転式のインジケーターが付いています。デジタルならば回路次第でどんなことでもできるでしょうが、この時計はアナログで全部歯車で動いているところがみそです。
さて修理はいかに。販売されていたのはかなり前のようだし、メーカーのサービスはまだ扱っているだろうか?ひとまずCASIOに尋ねたところ、すでに部品もなく修理対応は終了しているとのこと。そうだろうな。じゃあバラしてみるかなと言って、仕組みが分からないまま修理できるものだろうか?部品はどうする?
色々と問題はあるにしても、やれるだけやってみようと腹をくくってスタートすることにしました。
基本的にプラスティックの歯車類で構成されていますが、部品も多く結構複雑です。
そして心配した通り、歯の欠けた歯車や錆びた回路など交換の必要な部品があります。
という訳で残念ながらここまでかなと仕舞いかけたのですが、私もこの時計に惹かれてどうにも諦めがつきません。結局粘って部品を探してみることになりました。
しばらく経って、願いが通じたのか運よく必要な部品を入手することができ、洗浄、組み立ても順調に行き、無事元通りに動くようになりました。
嬉しかったです!