大粒の黒蝶真珠のネックレスから外した珠が1つあるので、これを指輪にできないだろうか?というご相談をいただきました。
真珠のネックレスに使っているということは、糸(ワイヤー)が貫通しているので、一つの珠の両側に穴が開いていることになります。真珠の世界ではこれを「両穴」と呼んでいます。
ご相談の珠は上の写真の通りまん丸ではなく、片方は丸くてもう片方はやや尖った片流れで「サークル」と呼ばれる円状の筋模様があります。
まん丸の珠であれば、穴を横向きに配置して4本爪のリングにセットすれば、穴は爪下に隠れて収まるのですが、このようなはっきりとした片流れの形状だとそうもいきません。
一方丸い方の表面はとても綺麗です。ということで、やはり尖った方は下向きにして指輪土台部分に埋まり込むようなセッティングが一番綺麗な収まりになりそうです。
そうなると問題は指輪のてっぺんに来ることになる「穴」をどうするかということ。
1mも離れて見れば全く気にならない程の小さな穴です。
エポキシで埋めて、50cmでも分からないかな。
でも着けてる本人はどこか気になるかな、等々思案する中で最終的にご提案に至ったアイデアはというと、、、
セットする方向はそのまま。
穴をエポキシで埋めるではなく、そこに小さなダイヤモンドを埋めてキラッと輝くようにしよう。
一つじゃなくて周辺にもいくつかダイヤモンドを配置してキラキラしたらどうかな。
という風にアイデアは膨らんで、サイズの違う6個のダイヤモンドをアットランダムに埋め込んで、とても可愛らしい指輪に仕上がりました。
黒真珠の指輪は仏事の時にしか使えないんじゃないかしらとお尋ねいただくことも多いのですが、そんなことは全くありません。ごく普段からお使いいただけます。
個性的な装いにもマッチして、お祝いやパーティーなどの華やかな席にもぴったりの素敵なジュエリーにもなりました。どうぞ末長くご愛用くださいませ。
真珠に限らずお持ちのジュエリーのデザインを変えたい、部分的に変更したい等の際はどうぞお気軽にご相談くださいませ。リフォームや修理、加工など、宝石学会鑑定士G.I.A. G.G.の平松博がお客様のご希望が叶いますよう最善を尽くしてご提案申し上げます。
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松屋時計店 平松 博
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