一般的にステンレスの指輪はサイズ直しする前提でできているわけではありません。
商品を作っているメーカーさんでも受け付けずに別に新しい指輪の購入を勧められることになります。
一番の理由はその硬さで、ステンレスはゴールドやプラチナのような「粘り」といったものがなく、ピンピンした感じでとても硬く加工が難しい素材です。また共付けという素材と素材を溶融してくっつける方法でないと強度が出ないため、宝飾品で用いられているロー付け技法は使えません。必然的に周囲を溶かすことになり、満足な仕上がりが期待できないため引き受けられないのが現状です。
しかし、それでもサイズ直しを必要としてる方はいらっしゃいます。
記念の品であったり、思い出の詰まった品であったりする場合は、買い替えで解決するわけではありません。なんとかならないものでしょうか?
なんとかなることもあります!
デザインや状態にもよりますが、お引き受けできることもあります。


上の写真はステンレス製の甲丸リングで、センターにダイヤモンドが埋め込まれています。
今回これを小さくサイズ直しします。
ダイヤモンドが入っている部分と反対側で、リングをサイズが合うように2箇所カット。短くなったリングを丸くなるように曲げていきます。これが硬いステンレスのため、しかも石が入っているのでなかなか難しい作業になります。石に圧力がかかると割れたりすることになるので、それを避けつつ丸く丸く。ゲージ棒で何度もサイズを確認しながらヤスリがけしつつ、継ぎ目がぴったり合うように形を整えます。
ここまでは下準備で、いよいよレーザーの出番です。合わせ目に細かくレーザーを打って一周します。
それからレーザーで溶けてへこんだ部分を埋めるように、ステンレスの細線を同じ場所に溶かし込んでいきます。これを何度も何度も繰り返して隙間をうめ切ったら、今度は磨きです。
飛び出してる部分を削って平らにして、最後は仕上げの磨き。
上手くできて当たり前ではありますが、ちゃんと綺麗に仕上がりました。
下は出来上がりの様子。(黒い線のように見えているのは、写真に写り込んだ周囲の影です。)


こっちは後ろから見たところです。
向こう側のダイヤモンドが入っている部分にクリーニング用の小さな穴が見えます。
ゴールド、プラチナなどの宝飾品のサイズ直し、真珠のネックレスの糸替、石ネックレスなどのワイヤー替、ブレスのシリコンゴムの入れ替え、ネックチェーンのロー付け、ピアス加工、リング加工などなんでもご相談ください。
米国宝石学会鑑定士(GIA G.G.)がベストを尽くして皆様のご要望にお応えします。
Matsuya
松屋時計店 平松 博
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