SKAGENのバンドを交換できるだろうかとご相談をいただきました。
このモデルに限らずバンドの取り付け方法が一般的な構造とは異なる専用バンドを取り付ける前提で出来ている時計は様々なメーカーから発売されています。その場合は専用バンドの交換をメーカー直営店や取り扱い販売店などに依頼することになるわけですが、海外など遠方や通販でお買い求めの場合はちょっと大層な感じになりますよね。
大抵の場合、日数や費用もそれなりにかさむことになりますし、もうちょっと手軽にどうにかならないかなというご希望も多いです。
そんな時のとっておきの選択肢をご案内します。
当店ではこのような特殊なバンドの交換は、例えば切れ込みがある場合は形状に合わせてカットしたり、また取り付けピンなども様々用意しており、できるだけ対応させていただけるように努めております。
さて今回の場合ですが
正面から見るとこんな風に、ケース側幅とのバンド幅が同じです。
裏面を見ると、バンドはネジ止めされていることが分かります。
多くの時計はケースの12時側と6時側に「ラグ」とか「足」とか呼ばれる突起があって、そこにバネ棒という細長いパーツでバンドを取り付けています。
今回の時計にはこの「ラグ」はなく、バンドはケースから突き出した部分の隙間に挟み込んだ上でネジ止めされています。
横から見るとバンドが挟み込まれているのがよく分かります。
この隙間はかなり狭くてそのままでは入らないのでバンドの端をこの隙間に収まるように圧着した上で取り付ける必要があります。
また、バンド幅はストレートで、取り付け幅12mm、尾錠幅12mmのバンドで厚みが元のバンドと同等で、素材やデザイン的にもふさわしいものを選ぶ必要があります。
当店はバンドの在庫はかなり豊富で国産以外にもイタリアのMORELLATOを扱っていますが、今回はその輸入代理店のCASSISブランドでぴったりのものが見つかりました。CASSISは「こんなバンドがあればいいのにどこも発売してないんだよなあ」というような「隙間」を埋める緻密なマーケティングを得意にしてるとても優秀なブランドだと思います。
使用することになったのはゴールドブラウン色のカーフで価格は2750円(税込)と案外お手軽です。
そのバンドの端のバネ棒が入る部分を接着した上で機械で圧力をかけて薄くして隙間に入るようにします。
元のバンドはネジ穴は貫通しておらず、詳しく見るとバンドの厚みの半分ほどに下穴が開いているので、同様に穴を開けます。
出来上がったバンドを取り付けました。厚みの具合もちょうど良いちょうど良い感じです。最後に元のバンドに付いていた専用尾錠を取り付けて完成です!
時計バンドの交換でお困りの方はお気軽にご相談くださいませ。
何でも出来るということはございませんがベストを尽くすことをお約束します。
平松