ご使用中、何かの拍子に「リューズがポロッと外れてしまう」ことがあります。
リューズを取り付けている巻真と呼ばれる直径1mmに満たない細長い軸からネジに沿って外れたのか、あるいは巻真が折れて外れたのか、リューズそのものがひび割れたのか等々原因は様々で、それによって修理の内容は大きく変わってきます。
単に緩んではずれた場合は取り付けるのは比較的簡単な作業です。しかし写真の時計の場合は巻真が折れて外れています。しかもリューズの際でポッキリと。ケースとしては難易度が高いです。
もし先が何ミリかでも残っていればそこを掴んで巻真を取り出す可能性も期待できるので、うまくいけば新しい巻真さえ用意できれば基本的にリューズは再利用できます
しかしながらこのケースでは掴み代がないので通常はリューズの再利用が出来ないことになります。
同じロゴマーク入りのリューズを取り付けるには、メーカーに送ることになります。そうするとOHも必須でフルメンテの見積もりが上がってきますので、その費用もなかなかの金額になります。驚くほど高額になる可能性大です。
リューズさえあれば何とかなるんですがねえ。
あるいは別のリューズを合わせてみて、運よく使えるものが見つかれば(ロゴマークはありませんが)とにかく時計として使用可能になります。でもぴったりのものが見つかるかどうか分かりません。
ということで、うちではそういう非常事態に備えるべく、かねてより色々と準備しております。具体的な方法は申し上げることができないのですが、リューズからその折れ込んだ巻真を抜く、しかもねじ山は潰さずに再度新しい巻真を使用して元通りにするというチャレンジをやっています。
チャレンジということは、はいそうです、残念ながら必ずできるということではありません。しかしながら今までに積み上げたノウハウもあって、リューズのコンディションが良好であればかなりの確率で成功しています。
今回のケースでは、セーフ!
時間はかかかりましたが、綺麗にはずれて(汗)、元通り使えるようになりました。
よかったです。
お持ちの時計のリューズがはずれてしまったら、まずは外れたリューズを探してください。それを一緒にお持ちいただけばなんとかなるかもしれません。(なんとかならないかもしれませんが、、、頑張りますので)